ファイルマネージャ

GNOMEには直感的で強力なファイルマネージャである Nautilus が同梱されています。GVFSテクノロジを使用することにより Nautilus はリモートシステムのフォルダをローカルのファイルシステムのフォルダと同様に表示できます。それによりユーザは単一の統一されたインタフェースでファイルにアクセスすることができます。

Nautilus は、ユーザのファイルについてより多くの情報を提供するために機能拡張が可能なプラグイン・インタフェースを提供します。これによりそれぞれのアプリケーションがさまざまなタイプを別々に管理することを排除して、豊かで首尾一貫したユーザ経験を提供することができます。

Nautilusプラグインはいくつかの方法でファイルマネージャの機能を拡張することができます。プラグインはファイルのプロパティ・ダイアログで追加の情報を追加できるので、ユーザにユーザがファイルについて知るべきすべてのことを提供することができます。たとえばGNOMEに同梱されているオーディオやビデオの追加情報を表示するプラグインでは、使用されているCODECやビデオのサイズ、CDから取得したアーティストやアルバム名などが表示されます。

プラグインはリストビューに列を追加でき、自動的にファイルのエンブレムを表示します。これにより適切な情報をユーザが一目で判別できるようになります。たとえば Nautilus のプラグインはバージョン管理システムからのチェックアウトに関する情報を表示することができます。ユーザはファイルマネージャからファイルが最新なのか、チェックアウトしたファイルに変更が加えられているかを直接見ることができます。

Nautilus では開発者がファイルやフォルダのコンテキストメニューに項目の追加もできます。コンテキストメニューの項目は表示するべきファイルがどのファイルタイプに属するのかにより決定されるので、コンテキストメニューには選択されたファイルに関連するアクションだけが表示されます。たとえばGNOMEの 書庫マネージャ はコンテキストメニューに"ここに展開する"という項目を追加します。コンテキストメニューの拡張により異なるタイプ別に一般的な操作を簡単に行うことが可能になります。

柔軟なプラグインアーキテクチャに加えて、 Nautilus はサムネイル表示が提供されているファイルにたいして任意の種類のサムネイルを表示することもできます。サムネイルにはファイルのプレビューが表示され、ユーザーが必要なファイルを見つける手助けとなります。 GNOMEは多くののイメージやムービーファイルのサムネイルを自動的に作成します。またアプリケーションはアプリケーション固有のファイルにたいするサムネイルを作成するために追加でサムネイル作成プログラムをインストールすることができます。サムネイルの管理は freedesktop.org により完全な仕様が決定されているため、任意のサムネイル作成プログラムをすべてのアプリケーションで使用することができます。