仮想ファイルシステム
GLibの一部であるGIOはGNOMEアプリケーションでのファイル、およびフォルダに対する操作のための中核となるライブラリです。GIOは取り換え可能なバックエンドにたいする、統一された仮想的ファイルシステムというレイヤーを提供します。GNOMEでは、GIOのバックエンドとして、複数のネットワークプロトコル、およびローカルプロトコルを実装するGVFSライブラリが提供されます。アプリケーションでGIOをGVFSとともに使用することによりローカルにファイルと同じくらい容易に、リモートマシン上にあるファイルにたいして処理を行うことができます。
GIOはファイルやフォルダにたいして、MIMEタイプやファイルのアイコン、どのアプリケーションがそのファイルを開くことができるかといった広範な情報を提供します。GVFSがファイルタイプの決定と関連付けの標準として freedesktop.org に採用されて以来、GVFSは異なるデスクトップ環境で正常に動作するようになり、開発者が異なる環境で実行されるソフトウェアを作成する助けとなりました。
GIOはGNOMEデスクトップを通じて使用されます。ファイルマネージャである Nautilus はローカルおよびリモートのフォルダの表示に GIOを使用します。ユーザにとってこれは、ネットワークサーバがあたかもローカルのフォルダであるかのように機能することを意味します: ユーザはこれらの間で、ファイルのドラッグアンドドロップ、プロパティ参照、アプリケーションからファイルを開くことができます。アプリケーションでGIOを使用することにより、ユーザがデスクトップからアクセスすることができる、すべてのファイルを開くことが可能になります。
GIOについての詳細は GIO Reference Manual を参照してください。
GNOMEの以前のバージョンでは、GnomeVFSライブラリがファイルおよびフォルダへのアクセスに使用されていました。 GnomeVFSでもリモートフォルダへの透過的アクセスを含めた同様な機能が提供されていましたが、いくつかの制限もあり、それはGIOによって解決されました。GnomeVFSはGNOME 2でも引き続きサポートされますが使用は推奨されていないので、新しく記述するコードで使用するべきではありません。GnomeVFSについての詳細は GnomeVFS - Filesystem Abstraction Library を参照してください。